仏式 – 葬儀後の諸事

葬儀後の諸事

●香典返し
1.時期・贈り方と挨拶状
香典返しは、仏式の場合、三十五日か四十九日の忌明けの法要のときに行ないます。
神式は三十日祭か五十日祭に。
キリスト教では習慣はありませんでしたが、今では死後三十日の召天記念日(プロテスタント)、追悼ミサ(カトリック)の日に同様のことをするようになりました。
品物は奉書紙か半紙に包み、黒白の水引をかけ上の方に「志」か「忌明志」と記し、下部に「○○家」と書きます。
品物に添える忌明けの挨拶状には、noukotu、四十九日(三十五日)の法要を済ませたことと、香典返しを送ったこと、会葬の御礼の言葉などを記します。

2.香典返しをしなくてもいい場合
香典には不幸のあった家庭への扶助、助け合いの意味があります。
一家の大黒柱を亡くして、香典を生活費に当てている場合などは、挨拶状に感謝の気持ちを込め、香典返しの品物を送らなくとも差し支えありません。

●納骨と埋葬
1.納骨は忌明けが一般的
納骨は遺骨をお寺や霊園の納骨堂に納めることをいいます。遺骨をお墓に埋めることは「埋葬」といいます。埋葬の時期は、墓地のある場合は葬儀の当日か、初七日、三十五日、四十九日の法要を済ませた後が一般的です。

2.仏式の埋葬式
埋葬式は内輪でしめやかに行なうことが多く、遺族、近親者のほか故人と特に親しかった友人などに参加してもらいます。喪主は納骨式・埋葬式では喪服を着用します。
墓地には遺骨、お焼香の道具、花、マッチ、線香、手桶、ひしゃくなどを持参し霊前にあげます。
忘れてはいけないのが「埋葬許可証」と認印で、これがないと埋葬が行なえません。

3.神式・キリスト教式の場合
神式の埋葬は「埋葬祭」といいます。三十日祭あるいは五十日祭に埋葬することが多くなっています。
神式のお祓い、祭詩の奏上の後、参列者が玉串を捧げます。
キリスト教式では、カトリックが1週間目の「追悼ミサ」の日か1ヵ月目の「召天記念日」に、プロテスタントでは召天記念日に埋葬するのが一般的です。
神父または牧師が祈祷を捧げ、参列者は聖歌・讃美歌を歌います。供花として白い花を用意しておきます。

4.埋葬式の後
参列者に酒食の席を設け、もてなします。
墓地近辺のレストランが選ばれることが多いようです。

●遺言・相続・形見分け
1.遺言書が見つかったら
法律的な効力のある遺言には、①自筆証書遺言②公正証書遺言③秘密証書遺言④口頭遺言があります。
故人の死後、法律上の要件を満たしている①~③の遺言状が見つかったら、直ちに家庭裁判所に届け、相続人または代理人の立会いの下で開封します。封印がある遺言状を勝手に開封してはいけません。遺言がある場合は、遺産相続はそれに従うのが原則です。

2.遺産相続は専門家に
相談故人の遺産は、故人の遺言のない場合は、法定相続人の間で決められた順位と割合によって配分を決めます。預貯金、株式・債権、不動産、貴金属など、それぞれ不明な点は専門家に相談してください。
故人に負債がある場合の相続放棄、相続内容への異議申し立てなど、様々な対応がひつようなので、早急に弁護士などに相談して手を打つことが大切です。

3.遺品の整理
葬儀後、落ち着いたところで、おじんの遺品の整理を行なってください。
形見分けするもの、保存するもの、処分するものに分類します。

4.形見分け
故人が生前愛用していたものを忌明け後に分け与える慣わしを「形見分け」といいます。
分け与える相手は近親者やごく親しかった友人です。
形見の品物を渡す時には包まずに渡すのがしきたりで「故人の愛用していた品です」と品物を見せて渡します。

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